おもちゃコラム
幼児教育とは?ねらい・メリットと実施するときに意識すべきこと
2022/02/7
幼児教育は、子どもが将来、豊かにたくましく生きていくために必要な教育です。子どもの健やかな成長のために、幼児教育を取り入れたいと考えている保護者の方も多くいます。
幼児教育が子どもにとって適切なサポートとなるためには、幼児教育のねらいやメリット、意識すべきことについての理解が大切です。この記事では、幼児教育の理解を深め、実際の取り組みに生かせるよう、幼児教育の詳しい内容や注意点を解説します。
1. 幼児教育とは
幼児教育とは、0歳から6歳までの小学校入学前の幼児に対して、人間として心豊かにたくましく生きるための「人間形成の基礎」を培う教育です。
幼児が生活するすべての場が、幼児教育の場です。具体的には、家庭、保育園や幼稚園、地域社会が挙げられます。それぞれの特徴は、下記の通りです。
■幼児教育の場と特徴
・家庭における幼児教育
愛情のある環境を通して、成長の基盤を形成します。
・幼児教育施設(保育所、幼稚園、認定こども園など)における幼児教育
集団活動の中で新たな社会や文化に触れることで、幼児なりの豊かさを学びます。
・地域社会における幼児教育
さまざまな人や自然との交流を通して、豊かな体験を増やします。
上記3つの教育が連携して、全体として豊かな幼児の教育の場となることが望ましいと言われています。
幼児教育学で重要視しているのは、生涯にわたる「生きる力」の基礎を作ることです。思考力や判断力、表現力の基礎を養うこと、また社会性や健康な身体を育てることが幼児教育では大切になります。
また、幼児を対象にした教育法として「早期教育」があります。
■早期教育
小学校入学前の子どもに、勉強やスポーツといった特定の分野の能力を身に着けさせるために行う教育のこと。
幼児教育と早期教育とでは、目的や養われる能力が異なります。幼児教育は、思考力や社会性といった生きる力の土台を養う教育です。一方、早期教育は知識や技術を習得することを目的としています。
1-1. 幼児教育のねらい
幼児教育のねらいは「生きる力の基礎となる、豊かな感性・意欲・態度を養うとともに、幼児の良さや可能性を伸ばす」ことです。
幼児教育に特化していると言われる幼稚園では、幼児教育のねらいを「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の分野に分けています。
■幼稚園における幼児教育のねらい
健康 健康で安全な生活を自分で作り出す力を養う 人間関係 自立心を育て、人と関わる力を養う 環境 周囲への好奇心や探求心を育て、それらを生活に取り入れる力を養う 言葉 考えや経験したことを自分の言葉で表現できる力、相手の話を聞く意欲や態度を養う 表現 感性や表現力を養い、創造性を豊かにする
保育現場では、身体を動かす活動やさまざまな経験を通して、上記のねらいの達成に向かうよう指導します。
1-2. 幼児教育を行うメリット
幼児教育を行うメリットは、具体的に以下の4つが挙げられます。
■幼児教育のメリット
- ・集中力や記憶力が養われる
- ・好奇心や探求心が育つ
- ・社会性が身に付く
- ・基礎体力が養われる
■集中力や記憶力が養われる
幼児は脳の発達が著しく、脳へ働きかける体験や夢中になる体験をすることで、集中力や記憶力の向上が期待できます。集中力や記憶力は、小学校以降の深い学習理解にも役立ちます。
■好奇心や探求心が育つ
幼児期は、何にでも興味を示す時期です。あらゆる経験が子どもの刺激になります。経験により刺激を受けることで、周囲の物事に関心を持つようになり、好奇心や探求心の養育が期待できます。
■社会性が身に付く
幼児教育では家庭以外の人と交流するため、集団生活のルールや協調性を学べます。幼稚園の友達や地域の人との交流を通して、社会性が身に付くことを期待できます。
■基礎体力が養われる
遊びや身体を動かす活動によって、子どもは健康に生きるための身体づくりができます。身体を活発に動かすことで心肺機能が高まり、基礎体力や運動能力の向上につながります。
2. 日本と外国における幼児教育の違い
日本と外国では教育・個性に対する考え方や子どものしつけ方が異なり、幼児教育にも違いが見られます。日本と外国における幼児教育の違いは、下記の通りです。
■日本の幼児教育
日本の幼児教育は、「協調性」を重視した教育方法が特徴です。集団の中で「どう考えるか」「どう表現するか」を学ばせます。保育園や幼稚園は、横割りのクラス編成がほとんどです。
一般的に全員が平等に学べる教育カリキュラムとなっており、具体的なカリキュラムは園ごとに作成されます。
■外国の幼児教育
外国の幼児教育は、「個性」を重視した教育方法が特徴です。個々の能力や可能性に合わせた指導が行われます。就学前施設では、飛び級制度や縦割りのクラス編成が多く見られます。
外国では、就学前施設の教育と小学校教育が一貫した教育カリキュラムが一般的です。そのため、言語教育や算数教育を就学前から行う施設もあります。
教育内容の違いは、その国の国民性や歴史的背景・文化的背景が関係しています。日本では集団の中で生きる力を養うことに特に力を入れています。一方、外国では個性を伸ばす教育手法が主流です。
どのような教育手法が合っているかは、子どもの性格や育てられる環境によって異なります。外国の教育方法も参考にしつつ、現在の教育が子どもに合っているかを見つめなおすことが大切です。
3. 幼児教育で意識すべき3つのこと
幼児教育では、幼児が主体的に活動できるように、保護者や保育士・幼稚園教諭・保育教諭が支援することが大切です。保育者が適切な行動・環境づくりを行うことで、幼児は自発的に活動ができます。
特に下記の3つを意識して、幼児教育を行うことが大切です。
■幼児教育で意識すべきこと
- ・遊びを通して学べる仕組みにする
- ・教育に適した環境を用意する
- ・子どもが自分で考え答えを出す指導方法を心がける
3-1. 遊びを通して学べる仕組みにする
「楽しい」と感じられる遊びには、本人の主体性があります。主体性のある活動は子どもの学習効果が高いため、遊びを通して学べる仕組みを作ることがポイントです。
また、遊びには子どもの好奇心や探求心を養う効果があります。好奇心や探求心は生涯にわたる学習意欲の基盤となるため、遊ぶことは幼児にとって「学ぶ」ことと言えます。
特に以下の遊びは、さまざまな能力を養えるためおすすめです。
・ごっこ遊び
お店屋さんごっこ、家族ごっこのようなごっこ遊びは、会話によってコミュニケーション能力が鍛えられます。また、自由な発想で遊ぶため、創造力の養育が期待できます。
・スポーツ
サッカーや水泳といったスポーツもおすすめです。丈夫な身体づくりとともに、ルールのある集団行動の中で社会性を身に着けられます。また、集中力や忍耐力の向上も期待できます。
・ゲームやパズル
ボードゲームや幼児向けのTVゲームも、幼児教育として注目されています。難易度は子どもが少し難しいと感じるくらいがおすすめです。作戦を練ったり想像したりして遊ぶことで、観察力や記憶力、判断力の向上が期待できます。
・外遊び
外に出て遊ぶことも、子どもの学習効果を高めます。自然に触れることで五感が刺激され、好奇心や想像力が膨らみます。また、外に出ることで地域の人や近所の友達と接する機会が増え、社会性の向上につながります。
3-2. 教育に適した環境を用意する
子どもの能力は遺伝のほかにも、環境が大きく影響します。子どもは自分で環境づくりができないため、周囲の大人が適切な教育環境を用意する必要性があります。
幼児が安心して活発に動くことができ、さまざまな体験ができるように、以下の環境を整えます。
・人的環境
人的環境とは、保護者や保育士といった身近な人間の人柄・言動・関係性を指します。幼児と信頼関係を築くだけではなく、母親と父親、施設の教員同士が良好な関係であることが大切です。
・物的環境
物的環境とは、子どもたちが遊ぶ場所や遊び場の温度・湿度、おもちゃ・絵本といった物を指します。幼児が活発に動ける広さで、安全性・快適性は高いか、年齢・月齢や発達段階に適したおもちゃがあるかといった点を重視して環境を整えます。
・自然的環境
自然的環境とは、海や山のような自然、植物や動物を指します。子どもが畑作業や動物と触れ合う機会を設けることは、幼児教育の上で大切です。
・社会的環境
社会的環境とは、家庭や幼稚園以外の地域の人との触れ合いを指します。地域行事に参加する機会や、公共施設を利用する機会を増やします。
3-3. 子どもが自分で考え答えを出す指導方法を心がける
子どもは、もともと「覚えたい」「考えたい」という欲求を持っています。幼児教育においては、これらの欲求を満たし、意欲を育ててあげることが重要です。
子どもの欲求を満たしつつ意欲を育てるためには、子どもの「なんでだろう?」と思う気持ちを大切にすることがポイントです。例えば、子どもの質問に対してすぐに答えを言わず、子どもに自分で考える時間を与えます。思考力は考えることの繰り返しで成長します。考える力が養われることで、問題解決の能力や、判断力・表現力の向上も期待できます。
まとめ
幼児教育は、生きるために必要な力の土台を養うための教育です。幼児は、身体を動かし、周囲の人や自然と触れ合う中で生きるために必要な土台を養います。
幼児教育において保護者や保育士は、幼児が安心して身体と脳を活発に動かせる環境を用意することが大切です。遊びはさまざまな能力を培う効果が期待されます。
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