子育てをしているパパやママのなかには、知育おもちゃに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、家庭で手軽に始められる「ミルク缶おもちゃ」について、モンテッソーリの視点からわかりやすく解説していきます。
ライター名:pftk先生
保有資格:リトミック研究センターディプロマB取得、0歳児指導、幼保園での指導資格取得
経歴:音楽大学卒業後、保育園でのリトミック指導や幼稚園での音楽指導に携わる。また個人のピアノ教室を開き、1歳からの指導を行っている。
メッセージ:たくさんの子どもたちを指導してきた経験と、現在一児の母でもあることを活かして、リトミック研究センターの資格を持つ筆者が役立つ情報をお届けいたします。
目次
なぜミルク缶がモンテッソーリ教育に最適なの? モンテッソーリのプロが解説!

ミルク缶の特性がモンテッソーリの理念にぴったり!
モンテッソーリの理念には、「子どもは生まれながらにして、自ら学び、成長していく力を備えている」という考えがあります。
ミルク缶は、そんなモンテッソーリの考えに適した素材です。適度な重さと大きさがあり、安定感があるため、小さな子どもでも安心して集中して遊ぶことができます。
0歳から2歳まで長く使える教材!
ミルク缶は、子どもの年齢や発達段階に応じて形を変えながら使える、非常に汎用性の高い教材です。
たとえば、蓋にあける穴の大きさを変えるだけで、0歳児向けのシンプルな落とし遊びから、1歳以降のより複雑な活動へと発展させることができます。
さらに、音の教育にも効果的です。
聴覚への働きかけは、子どもの言語力・音楽的感性・集中力・社会性など、あらゆる能力の発達を促す重要な要素です。
特に0歳から6歳までは、感覚が非常に敏感な「感覚の敏感期」にあたり、音の刺激が脳の発達に大きく関与します。
音の大小や高低など、さまざまな音の体験を通じて聴覚が発達し、集中力の基礎が築かれていきます。また、静寂を感じる時間をつくることで、音に対する感度がさらに高まります。

モンテッソーリ教育における「落とす」活動の重要性とは?

「落とす」という単純な動作には、子どもの発達を支える複数の重要な効果があります。
この章ではモンテッソーリ教育における「落とす」活動がもたらす3つの主な効果を紹介します。
手と目の協調運動が育つ
モンテッソーリ教育では、「落とす」活動が手と目の協調運動を育てるうえで非常に効果的とされています。
生後5〜6ヶ月ごろになると、目で見たものに手が伸びるようになり、掴む・離すといった基本的な動きが始まります。
成長にともない、つまむ・通すなど指先を使った繊細な動きへと発展します。こうした経験を重ねることで、脳と身体の結びつきが育まれ、動きの精度も高まっていくでしょう。
空間認識能力と集中力が育つ
「落とす」遊びは、空間認識能力と集中力を同時に育てるのに効果的な活動です。
子どもは、形・色・大きさを目で確かめながら、指先で的確に落とすという動作を繰り返します。このような経験を通じて、目と手の連携だけでなく、空間の把握力や集中する力が自然と育まれていくでしょう。
達成感が養われる
手や指先を使って考えながら行動する体験は、子どもに達成感をもたらします。
子供の「やってみたい」という気持ちを大切に、静かで集中できる環境を作ってあげると、
目的を持って何回も挑戦してくれます。
自分の納得いくまで取り組むことで、達成感をしっかりと味わえるでしょう。

【月齢別】ミルク缶で作るモンテッソーリおもちゃ5選
実際どんなおもちゃが作れるのか、5つの作り方を紹介します。
使用前に、ミルク缶の内部をしっかり洗って完全に乾かし、アルコール消毒をしてから使うと安心です。
0歳6ヶ月〜:基本のボール落とし

参考:オウチーク
特徴 手と目の協調運動を促す
材料 ミルク缶・排水溝カバー(セリアがおすすめ)・カラーボール(100均一で揃います)
作り方
- ミルク缶の蓋を外す
- 排水溝カバーを裏返して被せる
- 穴からカラーボールを入れて遊ぶ
【リトミック指導者からのワンポイントアドバイス】
カラーボールにすることで誤飲を防げます。カラーボールのサイズが手に合っていて掴みやすいため、成功体験をたくさんさせてあげることができます。そうすることで達成感も養われるでしょう。
0歳8ヶ月〜:音が鳴るぽっとん落とし

出典:転妻コミンの暮らしメモ
特徴 さまざまなものを落とすことによって、それぞれ違う音が鳴ります。これによって集中力の向上と聴覚の発達を促します。
材料 ミルク缶・落とすもの(木製のビーズ・大きめの鈴など)・ペットボトルの蓋・ビニールテープ
作り方
- ミルク缶の蓋を外す
- 排水溝カバーを裏返して被せる
- ペットボトルの蓋に鈴を入れる
- ビニールテープで蓋をくっつける
【リトミック指導者からのワンポイントアドバイス】
誤飲を防ぐため、大人が必ずそばで見守ってください。どんな音が鳴ったのかお話してあげると語彙力にも繋がります。
1歳〜:色分けポンポン落とし

出典:ホイクル
参考:ダイソー デコレーションボール
特徴 色の認識と色を分ける活動をすることで認知力の土台を作ります。
材料 デコレーションボール(はっきりとした色の方がわかりやすい)
作り方
- 蓋に3㎝の穴を3つ開けて、それぞれ穴のふちに色をつける
- それぞれの穴からデコレーションボールを入れて遊ぶ
【リトミック指導者からのワンポイントアドバイス】
色を落とすときに、大人が「これは赤だね」など声をかけると語彙力が高まります。繰り返すことで、集中力や秩序感、忍耐力も育てられるでしょう。
1歳6ヶ月〜:形合わせボックス

出典:おうちでモンテ
特徴 それぞれ異なる形を入れるため、空間認知能力の向上、集中力の向上が期待できます。
材料 厚紙やスポンジなどで作った丸、三角、四角などのピース、
作り方
- 蓋にそれぞれの形に穴を空ける
- 穴の縁は手を怪我しないようテープなどで留める
- それぞれの形のピースをスポンジや厚紙などで作る
- ビーズは紐に何個か通して留める
【リトミック指導者からのワンポイントアドバイス】
最初は丸・三角・四角のようにわかりやすい形から始めましょう。慣れてきたら星形を追加するのもおすすめです。形が違うと入らないことに気づき、自分で考える力が育ちます。
2歳〜:ひも通し&引っ張りボックス

出典:ママかりブログ
特徴 指先の器用さ、空間認知能力や集中力の向上に期待できます。
材料 紐(子供が引っ張りやすいもの)・玉結び用のビーズ・穴をあける道具
作り方
- ミルク缶のふたに穴をあける
- 紐の端にビーズやリングをつけて抜けないようにする
- 穴に紐を通す
【リトミック指導者からのワンポイントアドバイス】
穴の縁は滑らかに仕上げ、ケガを防ぎましょう。紐が絡まることもあるので、必ず大人がそばで見守ってください。

モンテッソーリプロ直伝! ミルク缶おもちゃの遊び方と声かけのポイント

新しいおもちゃを渡すときは、大人がゆっくりと手本を見せることが大切です。この際、言葉はできるだけ控え、動作だけで伝えるようにしましょう。
また、声かけも重要です。
「赤いボールが落ちたね」「今度は木のBビーズを入れてみよう」など、使っているものや素材を具体的に伝える声かけは語彙力の向上に役立ちます。
また、「集中してたね」「よく考えていたね」といった行動に注目した褒め方をすると、子どもの達成感をより深められるでしょう。

よくある質問とモンテッソーリのプロからのアドバイス

ミルク缶おもちゃ遊びを始める目安はよく聞かれる質問です。
子どもによって興味を持つタイミングや発達のスピードは異なるので、今できることに注目してあげましょう。
また、おもちゃに興味を示さない場合は、興味が出るまで待つのが良いでしょう。
市販と手作りどちらがおすすめか、というのも質問にあがります。
どちらも魅力的であるので、自分でカスタマイズするのもおすすめです。

手作りおもちゃと一緒に!プロが選ぶ知育玩具なら「トイサブ!」

市販品を選ぶなら「トイサブ!」がおすすめです。ここでは、「トイサブ!」をご紹介をします。
モンテッソーリ教育を本格的に取り入れたいママへ
手作りおもちゃで学びの土台を育てながら、専門家が選んだ知育玩具を取り入れることで、より効果的な発達サポートが可能になります。
月齢や発達段階に応じたおもちゃが定期的に届くため、タイミングを逃さず子どもの成長を引き出せます。
ミルク缶おもちゃと組み合わせて効果倍増
手作りのミルク缶おもちゃで身につけた「落とす」「通す」といった基本動作は、知育玩具でさらに発展させることができます。
おもちゃのプロが厳選した知育玩具によって、子ども一人ひとりの成長にしっかりと寄り添えるでしょう。
こんなご家庭におすすめ
- 手作りは好きだけれど、市販の良質な知育おもちゃも取り入れたい
- 子供の発達段階に最適なおもちゃ選びに自信がない
- モンテッソーリ教育には興味あるが、教具選びが難しい
詳しくは公式サイトへ:https://toysub.net
【合わせて読みたい】
・モンテッソーリねじ回しおもちゃ人気ランキング15選!1歳から使える知育玩具の選び方
・モンテッソーリ教育とは?効果的なおもちゃ8選と0歳からの実践方法【おうちモンテ完全ガイド】
・洗濯ばさみで作るモンテッソーリおもちゃ完全ガイド!指先の発達を促す知育遊びを徹底解説
・100均で作る1歳向け手作りおもちゃ!愛情たっぷり知育玩具の作り方を動画付きで紹介!
