【専門家監修】1歳の赤ちゃんの特徴やお世話のポイント、注意点やおすすめのおもちゃを解説
生後11か月の赤ちゃんは、足と腕の力が発達するため、つたい歩きができるようになったり、ハイハイの要領で階段や椅子に登ろうとしたりします。また、言葉の理解が進んでいき、大人の言ったことを真似しようとしたり、気持ちや要求を伝えようとするようになってきます。
本記事では、生後11か月の赤ちゃんの特徴やお世話のポイント、そして注意点について、発達の専門家であるADDS監修のもと解説します。
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特定非営利活動法人 ADDS
「発達的な凸凹は誰もがもっている」ということを前提に、
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1.生後11か月の赤ちゃんの特徴
生後11か月〜12か月未満の赤ちゃんの平均的な身長と体重は以下の通りです。
- 男の子の場合
身長69.4~78.5cm
体重7.5~10.8kg - 女の子の場合
身長67.4~76.7cm
体重7.0~10.3kg
厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より
※「平均的」とは、全体の94%の赤ちゃんが上記の範囲内に位置することを本記事では意味しています。
また、生後11か月の赤ちゃんの発達の特徴は以下の通りです。
- つたい歩きが始まる
- 手指がさらに発達する
- 言葉の理解が進む
つたい歩きが始まる
生後11か月の赤ちゃんは、足と腕で体を支えられるようになってくるため、つかまり立ちの状態から体を支えながら移動する「つたい歩き」ができる子が増えてきます。始めは両手でつかまって2、3歩移動できる程度ですが、慣れてくると片手を離したりしゃがんだりすることもできるようになります。
短い時間であれば両手を離して一人で立てる子も出てきます。この時期はハイハイやつたい歩きをすることで運動量が増えるため、体型が引き締まってきます。
手指がさらに発達する
生後11か月の赤ちゃんは手指がさらに器用になり、右手と左手を上手に使うことができるようになるため、お財布から中身を出したり、蓋の開け閉めなどができるようになってきます。指先の力も発達してくるため、家電のスイッチなども上手に押すことができるようになります。安全に気をつけながら、赤ちゃんの好奇心を大切に、様々な物を触ったり操作する体験をさせてあげましょう。
言葉の理解が進む
生後11か月になると言葉の理解が進んでいき、興味のあるものに対して指を差し「アッアッ」などと声を発して、気持ちや欲求を伝えようとし始めます。また、「パパはどこかな?」と声をかけるとパパを見ながら指を差したり言葉を発したりと、やりとり遊びも上手になってきます。まだ初語が出る子は少ないですが、物の名前を覚えられるようになってくる時期でもあります。赤ちゃんの目を見てゆっくりと、たくさん話しかけてあげましょう。
2.生後11か月の赤ちゃんのお世話のポイント
生後11か月の赤ちゃんに対するお世話のポイントは以下の通りです。
- 昼寝から起きる時間を決める
- 赤ちゃんの気持ちを言葉にする
- 他の子と交流する
- ファーストシューズを用意する
お昼寝から起きる時間を決める
生後11か月の赤ちゃんは、昼寝が午後1回になってきます。日中の運動量が増えることで、夜ぐっすりと眠れるようになる子も増えてきます。夜の睡眠に影響を与えないよう、お昼寝は15時くらいまでには切り上げるようにしましょう。
お風呂は寝る40分~1時間前くらいに入るのがおすすめです。この時期の1日の睡眠時間には個人差がありますが、目安は11時間~13時間です。
赤ちゃんの気持ちを言葉にする
生後11カ月の赤ちゃんは、言葉の意味を理解し始める時期です。「ちょうだい」などのやりとり遊びができたり、指差しをするようになったら、コミュニケーションがどんどん発展します。赤ちゃんが興味のあるものに対し指を差したり、手に取って声を発したりしたときは、「〇〇が欲しいのかな?」と赤ちゃんの要求を言葉にしてあげましょう。
もし花を見ていたら「おはなキレイだね」と伝えてあげてください。それが「おはな」だとわかり、次第に「おはな」と「キレイ」が結びつくようになります。
他の子と交流する
この時期になると、自分と同じくらいの赤ちゃんや少し上のお兄さんお姉さんに興味を持ち始めます。一緒になって遊ぶことはまだできませんが、他の赤ちゃんが遊んでいるのを見て好奇心や興味を持ち、刺激を受けて新しいことにチャレンジしようという気持ちが芽生えてくるかもしれません。公園や支援センターなど、同じくらいの月齢の赤ちゃんがいる場所に積極的に出かけてみてはいかがでしょうか。特に公園は、つかまり立ちやつたい歩きが始まると、遊べる遊具の幅も広がるためおすすめです。
ファーストシューズを用意する
つかまり立ちやつたい歩きができるようになってきたら、外を歩くためのファーストシューズを用意しましょう。この時期の赤ちゃんの足の骨はやわらかく、変形しやすいのが特徴です。合わない靴でも履けてしまいますが、足の正しい成長の妨げにつながりますので、きちんと赤ちゃんの足のサイズにあった靴を選びましょう。履き口が大きく、面ファスナー(マジックテープ)で留められる靴は、ママやパパが履かせやすいのでおすすめです。
3.生後11か月の赤ちゃんの注意点
生後11か月の赤ちゃんに接する上での注意点は以下の通りです。
- 歯磨きを本格的に始め、虫歯予防をする
- 転落・転倒事故に気をつける
- 赤ちゃんの個性を大切にする
歯磨きを本格的に始め、虫歯予防をする
生後11カ月の赤ちゃんは、徐々に唾液の分泌量が少なくなってくるため、歯についた汚れが唾液では落ちづらくなってきます。離乳食が3回になり、食事量が増えてくるこの時期は、虫歯のリスクも高まります。上下の前歯が計4本生えてきたら、夜の仕上げ磨きを本格的に始めましょう。
夜の授乳がある場合、授乳自体には虫歯のリスクはほとんどありませんが、歯に汚れが残っていると授乳することで虫歯のリスクを高めてしまいます。寝る前にしっかりと歯磨きをしましょう。
転落・転倒事故に気をつける
つかまり立ちやつたいい歩きが始まるこの時期は、転倒することが増えてきます。万が一バランスを崩してもケガをしないように、転倒対策としてフローリングにはプレイマットを敷くのがおすすめです。またイスや低いテーブルに頭をぶつけてしまう可能性もあるので、そういった家具にはコーナーガードや衝撃吸収材を取り付けるようにしましょう。
この時期はハイハイが上達し、階段などの段差も登れるようになってきます。階段にはゲートをつけるなど、思わぬ事故の予防にしっかりと備えましょう。
赤ちゃんの個性を大切にする
生後11か月の赤ちゃんは徐々に個性が出てきて、発達にも差が出てき始めます。この時期に一人で歩ける子もいれば、ずり這いをしている子もいますし、意味のある言葉を話せる子もいれば、まだ指差しをしない子もいます。月齢の特徴はあくまでも目安です。一喜一憂せず、その子の成長スピードを見守ってあげてください。
もし目安の月齢に対して大きく発達の遅れが見られたり、心配なことや育てにくさがある場合には、ママやパパだけで抱え込まず、医師や専門家に相談してみましょう。
4.生後11か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ
生後11か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ・知育玩具を、知育のプロであるトイサブ!おもちゃプランナーが3つ選んで紹介します。
指先の知育 オールスター
人気の指先遊びが勢ぞろいの知育玩具です。つっつく・押す・入れる・引き出す・つまむ・スライドなど20種類以上の指先遊びをお楽しみいただけます。遊びながら指先を使うことで、頭に適度な刺激を与え、お子さまの知的な発達を促します。
Busy Learners Activity Cube
14のアクティビティができる5面のおもちゃ。ねじる・回す・ 押すなどの運動能力を伸ばし、動物や楽器の名前を覚えることができます。音楽を聞いたり、光るボタン・スライド・回るブロックで好奇心を育てましょう!キューブを振ると楽しい音が聞こえ、光が点滅します。25のBGMや歌も楽しめます!
0-3 Cylinder Block No.1
国際モンテッソーリ協会認定ブランドの本格的な円柱さしです。乳幼児が最も集中することのできる3つのシリンダーで構成され、大きさの違いを視覚と体感覚で捉えて、算数教育につなげます。つまみ部分が鉛筆と同じ太さで設計されており、筆記用具を持つ手の準備にも繋がります。指や手の運動機能の練習にも。
生後11か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃを以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ合わせてお読みください。
まとめ
生後11か月の赤ちゃんは、言葉の理解が進み、大人のいう事を一生懸命真似しようとする時期でもあります。赤ちゃんの目を見て、たくさん話しかけてあげてください。足腰や手指も発達し、いろんなことができるようになります。できたらたくさんほめて、赤ちゃんの「もっとやりたい」意欲を引き出しましょう。
1歳を迎えた赤ちゃんの成長発達については、こちらの記事をお読みください。
イラストレーション:秋永悠(@uyaganika)