【小児科医監修】赤ちゃんのつかまり立ちはいつ?練習方法とおすすめのおもちゃ4選
生後10か月の赤ちゃんは言葉を発するようになったり、記憶力が発達したりと、さまざまな成長を見せてくれます。つかまり立ちも安定し、つたい歩きをし始める子も出てきたりと、下半身の力もどんどんついてきます。
本記事では、生後10か月の赤ちゃんの特徴やお世話のポイント、そして注意点について、発達の専門家であるADDS監修のもと解説します。
PROFILE
特定非営利活動法人 ADDS
「発達的な凸凹は誰もがもっている」ということを前提に、
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1.生後10か月の赤ちゃんの特徴
生後10か月〜11か月未満の赤ちゃんの平均的な身長と体重は以下の通りです。
- 男の子の場合
身長68.4~77.4cm
体重7.3~10.6kg - 女の子の場合
身長66.5~75.6cm
体重6.9~10.1kg
厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より
※「平均的」とは、全体の94%の赤ちゃんが上記の範囲内に位置することを本記事では意味しています。
また、生後10か月の赤ちゃんの発達の特徴は以下の通りです。
- つかまり立ちが上手になる
- 手づかみ食べに興味がでてくる
- 言葉の理解が少しずつできてくる
- 指差しのコミュニケーションができてくる
- 記憶力が発達してくる
つかまり立ちが上手になる
生後10か月の赤ちゃんは、足の力が強くなり、つかまり立ちができる子が多くなってきます。始めは体の左右のバランスが不安定で転んでしまうこともありますが、慣れてくると上手に両足を踏ん張って立ち上がれるようになります。
つかまり立ちで片手を離せるくらい安定してくると、次はつたい歩きにステップアップしていきます。
手づかみ食べに興味がでてくる
生後10か月になると、自分から食べ物を手でつかんで口に運ぶ「手づかみ食べ」により興味が出てきます。食べ物を手で潰してしまったり、食べないで手でこねたりする「遊び食べ」をすることもありますが、自分で食べたがるのは赤ちゃんの成長の証です。手でつかむことで食材の潰しやすさや感触を学んでいきます。
言葉の理解が少しずつできてくる
生後10か月の赤ちゃんは、言葉の理解が少しずつできてきます。言葉を言えるようになるのはまだ先ですが、「ちょうだい」とママやパパが言うと手に持っているものを渡してくれたり、名前を呼ばれると自分のことだとわかり、「アー」と返事ができる子も出てきます。
指差しのコミュニケーションができてくる
生後10か月の赤ちゃんは、興味のあるものや欲しいものを、指や手で差したり、大人の指差しの方向を見たりすることができるようになってきます。また、指を差すだけでなく、指を差した後に共感を求めるように視線を合わせてくることも増えるでしょう。このような一連のやりとりを「共同注意」といいます。
この頃はまだ言葉を話す前の段階ですが、共同注意はその後赤ちゃんが言葉を覚えたり、他者と関わる社会性を育む上で大事な基礎となります。赤ちゃんが指差しや手差しで何かを伝えようとしたり、視線を合わせてきたときは、「これは〇〇だよ」と名前を教えてあげたり、「おもしろいねー!」などと気持ちを代弁し、共感してあげましょう。
記憶力が発達してくる
この時期の赤ちゃんは、直前のことを覚えていられる「短期記憶」が発達してきます。目の前でおもちゃをタオルなどで隠すと、「見えなくなってもそこにある」という短期の記憶力がつき、おもちゃを見つけることができるようになります。こういった行動の積み重ねで赤ちゃんの記憶力は発達していくため、おもちゃを隠して見つける遊びもおすすめです。
2.生後10か月の赤ちゃんのお世話のポイント
生後10か月の赤ちゃんに対するお世話のポイントは以下の通りです。
- たくさん話しかける
- 絵本の読み聞かせを始める
- 手づかみ食べを積極的にさせる
- 9~10ヶ月健診を受ける
たくさん話しかける
生後10か月の赤ちゃんは言葉の理解がだんだんできてくる時期です。言葉の理解を促していくためにも、赤ちゃんに積極的に話しかけましょう。手を振りながらバイバイと言ったり、タッチと言いながら手や足を触ったりなど、行動と一緒に話しかけてあげると赤ちゃんがより言葉を覚えやすくなります。また、赤ちゃんの表情やしぐさから気持ちを読み取って、「だっこうれしいね」「ごはんおいしいね」など、言葉に変えて伝えてあげましょう。たくさん話しかけてあげることで、赤ちゃんの言葉の理解が深まっていきます。
絵本の読み聞かせを始める
赤ちゃんの言葉の理解を促すためには、絵本の読み聞かせも効果的です。まだ言葉や物語を理解できませんが、食べ物・動物・車といった、赤ちゃんの身の回りにあるものが主役の内容なら、絵本も十分に楽しめます。身近な題材や、リズムやパターンの繰り返しがある絵本がおすすめです。
絵本は知的好奇心や想像力を高めたり、読み聞かせを通じて親子のコミュニケーションを育んだりするのに適切な知育アイテムです。絵本を見せて興味を持つようであれば、絵本の読み聞かせを始めてみてください。
手づかみ食べを積極的にさせる
手づかみ食べによる「手で触る→指でつかむ→口に運ぶ→口の中に入れる→咀嚼する→飲み込む」といった一連の動作は、脳の様々な感覚が刺激され、赤ちゃんにとってとても豊かな体験となります。
離乳食は手づかみ食べをしやすいメニューを取り入れましょう。バナナや柔らかくゆでたにんじんなどがおすすめです。赤ちゃんが一度にたくさん口に入れないよう、手づかみ食べをする時は必ず近くで見守るようにしてください。
9~10ヶ月健診を受ける
生後9か月から10か月にかけては、9〜10か月健診を受けることが推奨されています。まだ検診を受けていない場合は受けに行くようにしましょう。
健診では、運動機能の発達具合や歯の生え揃い具合、体が倒れそうな時に手を伸ばして支えようとする「パラシュート反射」の確認などを行ないます。離乳食の進み具合の確認もあるので、離乳食について不安がある場合は相談すると良いでしょう。
3.生後10か月の赤ちゃんの注意点
生後10か月の赤ちゃんに接する上での注意点は以下の通りです。
- 転倒に気をつける
- 誤飲に気をつける
- 卒乳のタイミングを考え始める
転倒に気をつける
つかまり立ちをし始めると、転倒することが増えてきます。万が一バランスを崩してもケガをしないように、転倒対策としてフローリングにはプレイマットを敷くのがおすすめです。絨毯よりもクッション性が高いので、転倒の衝撃を緩和しやすくなります。
またイスや低いテーブルに頭をぶつけてしまう可能性もあるので、そういった家具にはコーナーガードや衝撃吸収材を取り付けるようにしましょう。
誤飲に気をつける
生後10か月の赤ちゃんは、手でつかめるものはなんでも口に運んで確かめようとします。手先もいっそう器用になり、細かいものも上手につまめるようになってきているため、今まで以上に誤飲には気を付ける必要があります。
つかまり立ちができると机の上のものにも手が届くようになってきますので、床だけでなく机の上にも誤飲の危険があるものは置かないようにしてください。低い位置にある棚や引き出しにも忘れずにロックをかけましょう。
卒乳のタイミングを考え始める
生後10か月は離乳食の量も増えて栄養の半分以上を離乳食から摂れるようになってくるため、卒乳を少しずつ視野に入れていく時期でもあります。1日3回の離乳食をしっかり食べ、おっぱいやミルク以外で水分をとれるようになったら卒乳しても問題ありません。
卒乳のタイミングに正解はありませんので、赤ちゃんの様子やママの事情を考慮して計画を立てていきましょう。
4.生後10か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ
生後10か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ・知育玩具を、知育のプロであるトイサブ!おもちゃプランナーが3つ選んで紹介します。
Baby Beep and Go Keys
親御さまのカギをとにかく触りたがる、そんな時期のお子さまに安心して渡せる、車キーをモチーフにした赤ちゃんトイ。アメリカVtech社ならではの楽しい音楽やフレーズがお子さまを楽しい気持ちにさせてくれます。
モンテッソーリ式玉落としおもちゃ
モンテッソーリ教具としても使われているおもちゃです。玉を手で押して、穴に落とすと箱の内側の傾斜を通り、下の穴から出てきます。落とすとコトンと音がして玉が消えることや、穴から出てくる不思議を親子でお楽しみください。また、玉をギュッと握ったり・掴んだりして手指の運動を促し、手と目の協調を育みます。
One Two Squeeze Blocks
ギュッと握ると音がなるこのソフトブロックには、動物や数字など、60種類もの絵柄が描かれています。また、小さな手で握りやすく、積み上げやすく、お口に入れても安全なこのブロックは小さなお子さまのブロック遊びにピッタリ!
生後10か月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃを以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ合わせてお読みください。
まとめ
生後10か月の赤ちゃんは足の力が強くなっていくと同時に、言葉の理解もどんどん進んでいきます。ただまだ言葉で上手に伝えることはできないので、できるだけ気持ちをくみ取って言葉に置き換えてあげましょう。この時期ならではのコミュニケーションを楽しんでくださいね。
生後11か月の赤ちゃんの成長発達については、こちらの記事をお読みください。
イラストレーション:秋永悠(@uyaganika)