4歳児にはどんな発達が見られる?年齢に適した遊びやおもちゃもご紹介
「発達的な凸凹は誰もがもっている」ということを前提に、子育てに困り感のある親子向けに、研究成果に基づくサポートプログラムを展開する、特定非営利活動法人ADDS。その共同代表であり、公認⼼理師/臨床⼼理⼠の資格を持つ竹内弓乃さんが、長年培った経験や心理学の知見をもとに、育児に関する多様な悩みに答える連載企画。
前回に引き続き、相談者は4歳6ヶ月の娘と1歳9ヶ月の息子を育てる、トイサブ!のスタッフ石原さん。後編では4歳6ヶ月になる 娘さんにまつわる3つの悩みに回答します。
相談回答・記事監修者
⽵内 ⼸乃(たけうちゆの)
特定非営利活動法人ADDSの共同代表。公認⼼理師、臨床⼼理⼠を保有。ADDSでは子どもの発達に関するサポートプログラムの展開や、相談窓口を設けている。
【HP】https://adds.or.jp/
【ADDSの提供するオンライン発達相談】https://adds.or.jp/sodan/
相談者
トイサブ!スタッフ 石原
マーケティング本部PRコミュニケーショングループに所属し、トイサブ!の広報・PRを担当。4歳6ヶ月の娘と1歳9ヶ月の息子のママ。
目次
お悩み①
自分から話しかけるのが苦手な娘
どうやってサポートしてあげたらいい?
石原:4歳6ヶ月の娘は、家族や保育園の先生や友達など親しい人とはコミュニケーションが取れるんですけど、初めての人に自分から話しかけることが苦手みたいなんです。「話しかけてみたら?」と言っても、なかなか話しかけられない。自分からコミュニケーションを取ることをどう促してあげたらいいかなって。上手にサポートができないかと悩んでます。
竹内:大人にも色々な人がいるのと同様に、お子さんにも、いろんな人に積極的に話しかけたいという子もいれば、自分が安心できる人と深く付き合いたい子もいます。なので無理に知らない人と話せるようにならなくてもいいのかなと思いますよ。お子さんがみんなで遊んでいる輪に本当は入りたいとか、話しかけたいけど「なんて話しかけていいかわからない」という希望があるんだったら、サポートしてあげた方がいいかもしれませんね。
石原:まさにそれです!話しかけられるとすごくうれしそうなんですけど、自分からはいけないんです。本当は初めてのお友達と話したいんだと思うんですけど、どうサポートしたらいいでしょうか。
竹内:ママがお手本を見せるのがいいと思います。近くで遊びながらその子に話しかけてみたり、ちょっとした仲介みたいなことをしてあげると、娘さんの中でその子に話しかけるハードルが下がります。「これ貸してあげられる?」と言って、まずはお話ししなくても手渡すところからとか、そういう橋渡しをしてあげてください。
石原:なるほど!でも友達と遊ぶときに、ママが一緒に行ってあげる方がいいのか、1人で行かせる方がいいのかも迷っているんです。いつも一緒に行ってあげるとそれがクセになってしまうんじゃないかと心配していて。
竹内:確かに、「一人で行ってごらんよ」「やだ、ママ一緒に来て」「仕方ないわねぇ」というのをいつもやると、それがパターンになってしまうかもしれませんね。なので、「一人で行ってごらん」と無理な促しはしないで、ママが先に友達のところに行ってみるのはどうでしょうか。そうするとママを見て自然に「そういうふうに友達とコミュニケーションをとるんだな」と学んで、自分もやってみようという気になると思いますよ。
石原:うちの子には、そういう方法があっている気がします!
お悩み②
「どうして?なんで?」が止まりません!
疑問ブームへの良い対処法が知りたい
石原:最近「どうして?なんで?」がすごく多いんです。「どうして太陽があるの?」「どうしてプリンセスは氷の魔法が使えるの?」とか。「太陽は暖かくするためかな」って答えても「どうして暖かくするといいの?」って、ずっと聞かれて、私が回答に戸惑ってしまうことも……。いい事だとは思うんですけど、どう対応すべきか悩んでます。
竹内:「どうして?なんで?」が出てくるのは、素晴らしいことなんですけど、それに全部答えるのは大変ですよね。対処法の一つとしては「どうして太陽があるの?」と聞かれたら「どうしてだろうね?ママはみんなを暖かくするためかなって思うんだけど、〇〇ちゃんはなんでだと思う?」ってこちらの考えを伝えながら、質問返しすることですね。正解は一つじゃないということだったり、ママはそう思うけど自分はどう思うかっていうことも大事なんだよ、というメッセージにもなるので、おすすめです。
石原:なるほど、自分で考えるきっかけを作るってことですね。
竹内:あと、「なんで?どうして?」って質問し続けて、答えは聞いてないっていう状態になることはありませんか?
石原:それもあります!答えているのに全然聞いていないこともありますね。
竹内:質問することだけが目的になってしまっているんだと思います。そういうときは「どうしてあるの?」という質問に「暖かくするためだと思うよ」って答えたあとに、また「なんで太陽があるんだっけ?」って聞き返してみてください。「暖かくするため?」って答えられたら「お話し聞いてくれてたんだね、ありがとう」って褒めてあげてください。自分でも言ってみるので、その内容を覚えることができますよ。
石原:それは大事ですね、打ち返すことに必死になっていました。会話にしてみるっていうのはいいかもしれないですね。 あと質問返しは早速使ってみたいなと思います!
お悩み③
遊ぶことと読み書きをすることの
時間配分に悩んでいます
石原:再来年に小学校へ入学するので、遊ぶ時間と読み書きなどの勉強に充てる時間の配分に迷っています。娘は、今言葉と記憶の吸収力がすごくて、テレビに出ている人の名前もすぐ覚えちゃうんです。だからもっといい刺激をあたえてあげたいと思うようになって。平日の夜はおもちゃでずっと遊ぶんじゃなくて、15分くらいはドリルを解く時間を作った方がいいのかなって悩んでるんです。
竹内:小学校受験をするなどの各ご家庭の事情もあるので一概にこうした方がいいとは言えないのですが、まずはお子さんが今何が一番楽しくて、何に夢中になっているかをよく観察してみてください。身体を動かすことが好きとか、絵を描くことが好きとか、ドリルをやることが好きな子もいますよね。いろいろ取り組ませてあげてみて、「これは好きそうだな」とか「こういうときいい顔しているな、集中しているな」というところから、その子その子の配分を決めてあげるのがいいと思います。
もし勉強することよりも遊ぶことが好きな場合は、机に向かうのではなくて、例えばお風呂の中にひらがな表を置いておくとかでもいいですね。日常生活の中でも「この部屋にいる人は何人でしょう?その数のスプーンを取ってきてね」とか、クイズを出してみるやり方もあります。総じて、楽しみながらできるっていうことが、今は大事かなと思います。
石原:無理やりドリルの時間を作るよりも、日常生活の中で興味があることに混ぜていくってことですね。今プリンセスが好きなので、トイサブ!で借りているひらながのつみきでプリンセスの名前を作って、ひらがなを読む遊びをしているのですが、そうしている内に濁点を覚え始めたんです。なので濁点がついているプリンセスの名前をブロックで作って、読ませるクイズを取り入れてみているんですけど、それでいいんですね。
竹内:お子さんが楽しいと感じることが、一番学びにつながると思いますよ。小学校に入れば机に向かって勉強する機会はたくさんあるので、小さい頃にしかできないことをさせてあげてください。思いっきり遊ぶとか、公園に行って自然に触れるとか、そういう時間も尊いなと思います。
石原:今までは公園へ行っても「さあ遊んでおいで」だったけど、どんぐりを見つけて「さあ何個あるでしょう」みたいな、ちょっとずつ勉強の要素を会話にいれていくだけでも違ってくるんですかね。
竹内:お子さんもその方が、プリントを解きましょうよりも楽しめるはずですよ。
石原:遊びの中に取り入れてみます!