赤ちゃんを上手に寝かしつける5つのポイント!月齢別に必要な睡眠時間も解説
赤ちゃんの成長は、ママやパパにとって何よりも嬉しいことです。一方で、「なかなか寝返りをしてくれないけど大丈夫かな?」と不安や焦りを感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、小児科医監修のもと、赤ちゃんが寝返りし始める時期の目安や注意点、寝返りをサポートする時のポイント、おすすめのおもちゃなどをご紹介します。いつ赤ちゃんが寝返りするか気になっているママやパパはぜひ参考にしてみてくださいね。
記事監修
菅谷 雅人
ふかしばこどもクリニック 院長
日本小児科学会認定小児科専門医
日本腎臓学会認定腎臓専門医
日本小児腎臓学会・日本夜尿症学会所属
東邦大学医学部医学科卒業後、千葉大学医学部付属病院小児科を経て、複数の病院で小児科医として勤務。2021年茨城県神栖市にふかしばこどもクリニックを開院。子育てを頑張っている家族、子どもの体調不良で不安になっている家族に寄り添った診療を提供すべく努めている。
目次
1.赤ちゃんが寝返りできるのはいつから?
赤ちゃんは、成長するにつれて徐々に自分で体をコントロールできるようになっていきます。まずは、赤ちゃんが寝返りを始める時期の目安を説明します。
寝返りとは?
「寝返り」とは、赤ちゃんが仰向けの状態から自分で体をひねり、うつ伏せになる動作のことです。赤ちゃんの発達段階の中では「首すわり」の次に見られます。一般的には、「左右どちらかだけでも、仰向けから腹ばいに姿勢を変える」ことができれば、「寝返りできた」と判断されます。さらに、寝返りをしてうつ伏せになった状態から仰向けに戻ることを「寝返り返り」と呼びます。
寝返りができる時期の目安
寝返りができる時期は、一般的に生後4~5ヶ月頃と言われています。中には、首がすわって間もない頃に寝返りする赤ちゃんもいれば、生後半年を過ぎてからし始める赤ちゃんもいます。
厚生労働省の調査では、「寝返り」ができる月齢について以下のようなデータが示されています。なお、この調査における寝返りの定義は前述と同様に「左右どちらかだけでも、仰向けから腹ばいに姿勢を変えられる」としています。
- 【寝返りができるようになった時期】
- 生後3~4ヶ月:14.4%
- 生後4~5ヶ月:52.7%
- 生後5~6ヶ月:86.6%
- 生後6〜7ヶ月:95.8%
参考:厚生労働省『平成22年 乳幼児身体発育調査 調査結果の概要』
寝返りの兆候となる動作
寝返りができるようになるサインとして、いくつかの動作があります。赤ちゃんが以下の動作をするようになったら、寝返りができるようになる日が近いかもしれません。
- 【寝返りの兆候となる赤ちゃんの動作】
- ・体を横向きにしようとする
- ・手足をバタバタと動かす
- ・両足を上げて顔の近くに寄せようとする
赤ちゃんの発達は個人差が大きい
赤ちゃんの成長は個人差が大きいため、目安の時期に寝返りができていなくても、焦る必要はありません。中には、寝返りをしないままお座りやハイハイに移行する赤ちゃんもいます。必ずしも寝返りが早いから良い、遅いと問題がある、というわけではありませんが、もし8ヶ月を過ぎても寝返りをしない場合は、一度かかりつけの医師に相談してみても良いでしょう。
2.赤ちゃんの寝返り練習は必要?
なかなか寝返りをしない赤ちゃんや、寝返りができそうでできない赤ちゃんは、サポートしてあげた方がいいのかな?と気になるママやパパも多いでしょう。続いては、赤ちゃんの寝返りをサポートする方法や、注意点をチェックしてみましょう。
無理に練習させず遊びの中でトライ
「そろそろ寝返りをする月齢だから」と、赤ちゃんに特別なトレーニングや訓練をさせる必要はありません。積極的に寝返りをしたがる子もいれば、うつ伏せをあまり好まない子もいます。
赤ちゃんは自分のペースで自然に習得していくので、じっくりと見守ることも大切です。無理やり寝返りさせることは避け、赤ちゃんの様子を見ながら無理のないよう練習してみましょう。遊びの中で寝返りを誘ってみるのも良いですね。
背中や腰を支えてアシストしてみよう
赤ちゃんが体をひねった時に、背中や腰を支えて動作をサポートすると、コツを掴んで上手に寝返りできることがあります。また、寝返りする方向からママやパパが名前を呼びかけて興味を引いてみるのもおすすめです。
もし、寝返りをサポートしてうつ伏せになった赤ちゃんの腕が床と体の間に挟まっていたら、腕を抜いてあげましょう。うつ伏せの時はできるだけ赤ちゃんから目を離さないようにしてください。
おもちゃで誘ってみよう
おもちゃを使って、赤ちゃんの寝返りを誘導する方法もあります。音の鳴るおもちゃを振ってみたり、お気に入りのおもちゃを近くに置いてたりすると、「気になる!」「手に取りたい」という気持ちから、赤ちゃんが寝返りするかもしれません。
3.寝返り期の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ3選
続いては、遊びながら寝返りに誘導するのにぴったりのおもちゃを、おもちゃの専門家であるトイサブ!おもちゃプランナーが3つ選んでご紹介します。
わっかボール りんご
「わっかボール りんご」は、わっかがついたふかふかの布製ボールです。小さな赤ちゃんの手でも掴みやすいわっかは、どこからでも引っ掛けて持つことができます。ボールの中の鈴は安全なプラスチック製で、リンリンと優しい音がなります。
おきあがりペンギン
ドイツの知育玩具メーカーHape社のおきあがりこぼし。頭をちょんと押すと、優しい音でゆらゆら揺れます。倒すと起き上がる、という単純な反応は小さなお子さまにとって楽しい繰り返し遊びとなります。お子さまの向きと反対側において揺らしてあげると、寝返りの練習にもなります。
PWカラーハンド
「PWカラーハンド」は、振るとカラカラと木玉の優しい音色が響き、赤ちゃんの興味を引いてくれるラトルです。はじめは、大人の方が振って見せてあげましょう。赤ちゃんの指の力が付いてくると、ぎゅっと握ったり、指に引っ掛けたりして動かすことができます。
4.寝返り期の赤ちゃんと過ごす時のポイント
赤ちゃんが寝返りできるようになると、行動範囲は一気に広がります。最後に、寝返り期の赤ちゃんと過ごす時のポイントや注意点をチェックしておきましょう。
動きやすい服装・部屋づくり
赤ちゃんが活発に動き始めたら、動きやすい服を着せてあげましょう。サイズが合っていないものや、硬めの生地は体を動かしにくいので、伸縮性のある生地で、上下が分かれているセパレートの洋服がおすすめです。
また、赤ちゃんが動きまわりやすいように、日中は安全な広いスペースを準備しましょう。敷物は、柔らかすぎると体を動かしにくいため、少し硬めのマットなどを用意すると良いでしょう。
転落や誤飲・窒息に気をつけよう
寝返りができるようになった赤ちゃんは、コロコロと転がって動けるようになります。少し目を離している間に思わぬところまで移動している、なんてこともあります。転落や誤飲・窒息などの事故を防ぐためにも、赤ちゃんが過ごすスペースに危険なものがないか、以下の点に注意して改めて見直すようにしてください。
● 転落防止
ベビーベッドやソファなど、高さのある場所に赤ちゃんを寝かせておくと、寝返りして転落してしまうおそれがあります。寝返りが完全にできない時期であっても、手や足を動かしているうちに転落してしまうかもしれません。ベビーベッドに赤ちゃんがいる時は、ほんのわずかな時間であっても必ず柵を上げてください。また、ソファなどの柵のない場所に寝かせることも避けましょう。
● 誤飲防止
この時期の赤ちゃんはなんでも口に入れたがるので、床や赤ちゃんの手の届く範囲に誤飲しそうなものがないか常に注意するようにしてください。離れた場所にあるものでも、寝返りで移動することで手に取ってしまうかもしれません。
直径38mm以下のものは、赤ちゃんが飲み込んでしまうことがあると言われています。トイレットペーパーの芯の直径が約38mmと言われているので、芯を通るサイズのものは誤飲の危険があると考え、赤ちゃんの手の届かない場所に移動させましょう。特に、ボタン電池やたばこ、薬、複数の磁石などは誤飲してしまうと非常に危険ですので絶対に置かないようにしてください。
また、上にきょうだいがいる場合は、おもちゃの小さなパーツなどが落ちていることもあるので、遊んだ後の片付けを徹底しましょう。危険なものを全て排除するのが難しい場合は、ベビーゲートを設置して、安全なスペースを確保するよう工夫してみてください。
● 窒息防止
寝返りできるようになったばかりの赤ちゃんは、うつ伏せの状態に慣れておらず、頭を長時間持ち上げていることができません。まだ寝返り返りができない場合、自分で仰向けに戻れずうつ伏せのままになってしまうことがありますので、できるだけ赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
柔らかい布団やマットレスなどの上で過ごしていると、埋もれて窒息してしまうおそれがあります。クッションや枕など、顔を覆ったり首に巻き付いたりする可能性のあるものも、赤ちゃんの周りに置かないよう気をつけましょう。
また、うつ伏せで寝てしまうと窒息のリスクが高まります。寝返り返りができていない赤ちゃんが寝ている時にうつ伏せになってしまったら、仰向けに戻してあげましょう。
まとめ
赤ちゃんが寝返りを始めるのは、一般的に生後4~5ヶ月頃とされていますが、赤ちゃんの発達には個人差があります。赤ちゃんが寝返りしたがっている様子が見られたら、普段の遊びの中で寝返りを促したり、おもちゃを使ったりしてサポートするのも良いでしょう。
なかなか寝返りしないと、ママやパパは不安や焦りを感じてしまうこともあるかもしれませんが、それぞれの赤ちゃんのペースで成長していきますので、ゆっくり見守りましょう。