新生児におもちゃは必要?いつから準備する?0ヶ月におすすめおもちゃや選び方
新生児の赤ちゃんと生活するにあたり、気になるのが室内の温度や湿度です。特に夏と冬は室温の調節が難しく、「寒くないかな?暑くないかな?」と悩むママやパパもいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では小児科医監修のもと、新生児の赤ちゃんにとって心地よい室温の目安や、室温調整のポイント、赤ちゃんが暑い・寒いときにみせるサインなどを解説します。
記事監修
菅谷 雅人
ふかしばこどもクリニック 院長
日本小児科学会認定小児科専門医
日本腎臓学会認定腎臓専門医
日本小児腎臓学会・日本夜尿症学会所属
東邦大学医学部医学科卒業後、千葉大学医学部付属病院小児科を経て、複数の病院で小児科医として勤務。2021年茨城県神栖市にふかしばこどもクリニックを開院。子育てを頑張っている家族、子どもの体調不良で不安になっている家族に寄り添った診療を提供すべく努めている。
目次
1.新生児の赤ちゃんに適した室温とは?
新生児とは、一般的に生後28日未満の赤ちゃんのことを指します。新生児の赤ちゃんは一日のほとんどを室内で過ごします。そのため、快適な室内環境を整えることは重要です。まずは、赤ちゃんにとって最適な室温・湿度を解説します。
室温の目安は「夏:25~28℃」「冬:20~25℃」
大人が快適に過ごせる室温は、新生児の赤ちゃんにとっても心地よい環境とされています。夏・冬それぞれの室温の目安は、以下の通りです。
【夏】
夏場は25~28℃前後を目安にするとよいでしょう。しかし、室内外の気温差が大きくなると赤ちゃんの体温調節がうまくいかず、体調を崩してしまうおそれがあります。猛暑日でなければ、外気温との差が5℃以内になるように調整してください。また必要に応じて扇風機なども併用して、赤ちゃんの体に熱がこもらないように気をつけましょう。
【冬】
冬場の室温は20℃前後が目安ですが、新生児の赤ちゃんの場合はやや高めの23~25℃に設定してもよいでしょう。また、朝晩と日中で寒暖差が大きくなる日もあるため、エアコンなどで室温をコントロールするだけでなく、下着や上着で赤ちゃんの体温を調節するようにしましょう。
湿度の目安は「50~60%」
湿度は、季節を問わず50~60%が目安です。室温管理に加えて、夏場はエアコンの除湿機能、冬場は加湿器などを活用して湿度管理も行うようにしてください。
新生児のお部屋の室温調整が大切な理由
新生児の赤ちゃんは体温を調整する力が十分に発達していないため、気温の影響を受けて体温が左右されてしまいます。また適切な体温を保つことができないと、赤ちゃんの体調不良につながるおそれがあります。赤ちゃんの体を温めすぎることと「SIDS(乳幼児突然死症候群)」には、関連性があることも示唆されています。
快適な室温を保つことは、赤ちゃんが「眠りやすい環境」を整えるという点でも重要です。暑い・寒いなどの不快感があると、赤ちゃんはなかなか寝付くことができず、眠っても短時間ですぐに目を覚ましてしまいます。赤ちゃんが体調を崩さず快適に過ごせるように、そして成長・発育に不可欠な睡眠をきちんととれるように、室温を適宜調整することが大切です。
2.【季節別】室温の調整方法と赤ちゃんの服装
続いて、春秋・夏・冬の室温調整の方法と、新生児の赤ちゃんの服装のポイントをご紹介します。
春・秋
春・秋は、日中は比較的過ごしやすいものの、季節の変わり目で気温の変化が激しくなる時期です。日差しが強くて暑いときはカーテンを閉める、肌寒く感じたときは暖房をつけるなどして、室温を調整するとよいでしょう。また、秋は空気が乾燥しがちなので、加湿器などを併用するのもおすすめです。
- 【新生児の赤ちゃんの服装のポイント】
- 短肌着+コンビ肌着など、薄手の肌着2枚とドレスオールの組み合わせが基本です。
- 一日の中でも気温差が大きい日がありますので、寝ているときはスリーパーを使う、適宜上着を着せるなど、細かな調節も心がけてください。
また、20℃を超えるような気温の高い日には、肌着とドレスオールを半袖にする、または肌着の重ね着のみにするなどでもよいでしょう。
夏
梅雨の時期は温度だけでなく湿度の調整も重要です。少し室温が高くても、湿度が低ければ快適に過ごせます。エアコンのドライ機能や除湿機などを利用して、調整しましょう。
真夏は26~28℃(湿度60%)を目安にエアコンで調整してください。ただし、他の部屋との温度差が大きすぎると赤ちゃんの体に負担がかかることもあるため、注意が必要です。冷たい空気は部屋の下のほうに溜まりやすい性質があるため、赤ちゃんを布団に寝かせている場合は冷やしすぎに気をつけてください。部屋の空気が循環するように、扇風機やサーキュレーターなどの併用もおすすめです。
- 【新生児の赤ちゃんの服装のポイント】
- 薄手の短肌着+コンビ肌着が基本です。
- 汗をかいているようなら、コンビ肌着1枚のみでも問題ありません。
まだ自分で動くことのできない新生児の赤ちゃんは背中などに汗をかきやすいため、こまめに着替えをしたり、肌着と背中の間に差し込む汗取りパッドを使ったりするようにしましょう。
冬
空気が乾燥しやすい冬は、室温と湿度管理を徹底してください。風邪やインフルエンザなどのウイルスは、気温が低く・空気が乾燥していると増えやすく、特に湿度が40%を下回っていると、より長い時間感染性を維持するといわれています。暖房と一緒に加湿器を使ったり、室内で洗濯物や水で湿らせたタオルを干したりして、湿度管理するように心がけてください。
また、暖かい空気は冷たい空気とは逆に部屋の上のほうに溜まりやすくなります。室温のムラをなくすために、サーキュレーターなどを活用して部屋の空気を循環させるとよいでしょう。換気も忘れずに行ってください。
- 【新生児の赤ちゃんの服装のポイント】
- 短肌着+コンビ肌着+長袖ドレスオールが基本です。
- 厚着させすぎてしまうと汗をたくさんかいてしまい、寒い季節でも脱水や熱中症になってしまうことがあります。新生児の赤ちゃんは大人と比べて体温が高いため、服を着せすぎないように注意しましょう。肌着は厚手の素材にして、大人よりも1枚少ない程度を目安にしてください。
また、赤ちゃんは足の裏から熱を発散することで体温を調節しているため、室内では靴下を履かせずに過ごすようにしましょう。
3.赤ちゃんの暑い・寒いのサインは?
室温の調整をするときは、赤ちゃんの様子を観察することも重要です。ここでは、赤ちゃんが「暑い」「寒い」と感じているときに出すサインをご紹介します。
赤ちゃんが暑がっているサイン
赤ちゃんが暑いと感じているときのサインは、以下のようなものがあります。
- 髪の毛が汗で濡れている
- 背中が汗ばんでいる
- 顔が赤い
- お腹や背中、足の裏を触ると熱い
- 呼吸が速い
- 機嫌が悪い
このような様子が見られたら、エアコンなどで室温を調整したり、服を1枚脱がせたりして対応するようにしましょう。新生児の赤ちゃんの皮膚は大人の半分程度の薄さでとてもデリケートなため、汗をかいてそのままにしておくと、あせもや湿疹などの肌トラブルにつながることもあります。服が汗ばんでいたらこまめに着替えるようにしましょう。
赤ちゃんが寒がっているサイン
赤ちゃんが寒がっているときは、以下のようなサインが挙げられます。
- お腹や背中がひんやりとしている
- 顔色や唇の色が悪い
- 機嫌が悪い
赤ちゃんの手足は外気温の影響を受けやすく、触るとひんやりとしている場合があります。その場合でも体の中心部が温かく機嫌が良い場合は、快適に過ごしていると捉えて問題ありません。
4.エアコンなどの冷暖房器具を使うときの注意点
最後に、エアコンなどの冷暖房器具を使って室温調整を行うときのポイントや、注意点をご紹介します。
赤ちゃんの近くに温度計・湿度計を置く
大人が過ごしている場所と、赤ちゃんが寝ているベビーベッドや布団の近くでは、温度に差が出ていることがあります。そのため、冷暖房器具の表示設定だけではなく、赤ちゃんの近くに温度計・湿度計を置いて確認するようにしましょう。
また、温度・湿度のチェックと併せて、赤ちゃんの体を触ってみる、ご機嫌を確認するなども心がけてください。
冷暖房器具の風量・風向に注意
エアコンや扇風機などを利用する場合は、風が直接赤ちゃんの体に直接当たらないよう、風向きに注意してください。赤ちゃんの顔や体に手をかざして風が直接当たっていないかどうかを確認して、当たっている場合は風向きの設定を変えたり、赤ちゃんの寝ている位置を移動させるなどの対策をとりましょう。
また、風量が強いと室温が急激に変化することがあり、赤ちゃんにとって負担となるおそれもあります。冷暖房器具の風量は弱めに設定しておくことをおすすめします。
冷暖房器具は定期的に手入れをする
エアコンや加湿器などの冷暖房器具を使う際は、定期的に器具のお手入れをしてください。カビやホコリが溜まった状態になっていると、赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。フィルターや吹き出し口の掃除をしたり、専門業者にクリーニングを依頼したりするなど、清潔な状態を保つように心がけてください。
まとめ
新生児の赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、季節ごとの室温目安を参考にして、赤ちゃんにとって最適な環境に整えることが大切です。必要に応じて、エアコンやサーキュレーターなどを上手に使用してください。
赤ちゃんの暑がっている・寒がっているなどのサインが出ていないかを確認したり、赤ちゃんの直接体に触れたりすることで、赤ちゃんが快適に過ごせているかどうかを判断するようにしましょう。