イヤイヤ期はいつから?子どもへの接し方やNG言動・ポイントを紹介
「発達的な凸凹は誰もがもっている」ということを前提に、子育てに困り感のある親子向けに、研究成果に基づくサポートプログラムを展開する、特定非営利活動法人ADDS。その共同代表であり、公認⼼理師/臨床⼼理⼠の資格を持つ竹内弓乃さんが、長年培った経験や心理学の知見をもとに、育児に関する多様な悩みに答える連載企画。
3人目の相談者は、1歳8ヶ月と4歳半の兄弟を育てるトイサブ!スタッフの広野さん。最近言葉をおぼえはじめてきた、1歳8ヶ月の次男のお悩みに回答します。
相談回答・記事監修者
⽵内 ⼸乃(たけうちゆの)
特定非営利活動法人ADDSの共同代表。公認⼼理師、臨床⼼理⼠を保有。ADDSでは子どもの発達に関するサポートプログラムの展開や、相談窓口を設けている。
【HP】https://adds.or.jp/
【ADDSの提供するオンライン発達相談】https://adds.or.jp/sodan/
相談者
トイサブ!スタッフ 広野
マーケティング本部マーケティンググループに所属し、トイサブ!のマーケターとして活躍。プライベートでは、やんちゃ盛りの1歳8ヶ月と4歳半の母。
目次
お悩み①
わざと怒らせようと試している?
どうやってやめさせればいいでしょうか。
広野:次男は最近、ここまでやったら怒られるかな、みたいなことを試してくるんです。最初は私のことを優しく手で「バン、バン!」と言いながら叩くのですが、どんどん力が強くなってきて、「やめて、痛いよ」と軽く注意すると逆に楽しくなってしまうのかエスカレートしていって、最終的に本気で怒らないとやめないんです。あまり本気で怒りたくないので、軽く注意した段階でやめてほしいのですが…。こんな場合は怒る方がいいのか、何か別のことに気を逸らせる方がいいのかがわからなくて悩んでいます。
竹内:これはあるあるかもしれないですね。叩いたり、おもちゃ投げたり、やってはいけないことって親が反応してしまうんですよね。お子さんが大人しく一人で遊んでいたらそのままそっとしておくと思いますが、例えば物を投げたりしたら「そんなことしたら車さん痛いよ」と、お子さんの行動に親が反応しますよね。そうすると親が反応してくれるこっちのほうが面白いと思い、いたずらをしたり、物を投げたり、叱られるようなことをあえてするようになります。
なので、ポイントとしてはお子さんのそういった行為に対して、極力反応しないことです。ただ今回の場合、痛いことに反応しないというのは難しいと思うので、強くなる前に止めるようにするのがいいと思います。「やめて」という事が意味がないのであれば、途中で「あそこにあるものは何だろう?見に行ってみよう?」と全く別の話をしてみてください。そこで叩く遊びが終われば、この行為は親の注意を引けないんだとお子さんも思うと思います。
それと合わせて、ではどんな時に親がいい反応を返してくれるのか、というのを経験させてあげることも大事です。例えば一人で遊んでいて積み木を高く詰めたときに「わー、すごい!高いねー!」と声をかけるなど、そういったことで十分です。お子さんがいいことをしているときは注目してどんどん褒めてあげてください。
広野:すごく良い気づきでした!いいことしているときに反応してあげるっていう、こちらの意識改革を改めてやってみようと思いました。
お悩み②
絵本を一緒に読みたいけれど
なかなか興味を持ってくれません
広野:上の子もいて普段はバタバタしているので、時間があるときは次男と二人でゆっくり絵本を読むようにしているのですが、途中でばんばん絵本を叩いたりして、全然興味を示さないんです。騒がしい環境で育ってきたせいか、あまりじっくり一つの物事に集中することができないんです。落ち着いて絵本を一緒に読めたらいいなと思っているのですが、このまま続けるべきなのか、無理に読まなくていいのか、どっちの方がいいでしょうか?
竹内:お子さんにも一人一人好みがあるので、絵本を読むことが好きな子もいれば、もっと外に出て体を動かしたいという子もいて、それぞれ違うのかなと思います。お話を聞いていると、お子さんは静かに絵本を読むというよりは、もっとダイナミックな遊びの方が好きなのかなという気もします。それであれば絵本にこだわらず、一緒に体を動かして遊ぶでもいいんじゃないかなと思いますね。
もし絵本も読んで欲しいのであれば、なぜ絵本にはそんなに興味を持たないのかを考えてみるといいかもしれません。もしかしたら絵が動いていないからつまらないのかな、とか、絵本が難しいなら指人形劇はどうかな、とかですね。
広野:この前絵本の内容を動くスライドで見せてくれるイベントに行ったのですが、長い時間ちゃんと座って見ることができていました。目の前で動いていれば楽しく見られるような気がします。
竹内:絵本を歌にのせて読み聞かせる動画もありますよね。まだ小さいので、動画をずっと見ることはあまりおすすめできないですが、すこし見せて今度はママが絵本を読みながら同じ歌を歌ったら、「動画と同じだ!」と思って興味を持ってくれるかもしれません。色々な楽しみ方を考えてみるといいかもしれないですね。
広野:なるほど!「絵本を読ませなくちゃ」という義務感があったのですが、別の遊びでもいいし、絵本で歌を歌ってもいいし、色々と工夫してみたいと思います。
お悩み③
自分の遊びがうまくいかないと
他の子の遊びも妨害してしまいます
広野:この間キッズスペースに行った時に、次男がブロックを積む遊びに挑戦していたんですが、すごく高く積もうとして倒れちゃったんです。それが3回くらい続いたら悔しくて怒ってしまい、他の子が積んでいたブロックも全部壊しちゃったんです。その後も床に倒れて癇癪を起こしてしまい…。こういうことが度々あるのですが、どうしたらいいでしょうか。
竹内:自分で挑戦して、その結果を体感することは、いい経験だと思います。できなかったとしてもです。なのでやらせないのはもったいないかなと思います。1回目失敗してしまったら、2回目は見えないように支えておいてあげたり、「下にたくさんブロックをくっつけておいたらどうかな?」と言ってみたり、ちょっとしたサポートをしてあげて成功につながりやすくするのがいいと思いますね。
広野:成功体験をさせてあげたいと思うのですが、割と自分でやりたいタイプなんです。なのでサポートしようとすると怒ってしまいます。
竹内:自分でやりたいと思うことは、すごいと思います。でもそのあとに癇癪になってご本人も周りもしんどいな、ということなら、やはり何らかの工夫が欲しいですよね。
あからさまに手伝うんじゃなくて、こっそり倒れにくい積み木を土台に添えてあげるとか、あとは失敗しても自分一人でやりたいかを事前に確認しておくのも手ですね。「ママがちょっと手伝う?倒れちゃうかもしれないけど、○○君が自分でやる?」「倒れても我慢できる?かっこいいねー」というふうに。そんなふうに前置きをしておくと、失敗しても結果を受け止めやすくなるかもしれません。
もしこれは癇癪になりそうだぞって予測できる状況だった場合は、1回失敗したら「悔しかったね!」って言いながら抱っこしてお部屋を一周するとか、先に気分を変える工夫もおすすめです。
広野:すごくいい手ですね!次男にあった対応をその場その場の状況で判断したいと思います。勉強になりました。ありがとうございました!