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子育て相談室|Case.3 感情の起伏がちょっと激しい 2歳娘の癇癪のなだめ方について

子育て相談室|Case.3 感情の起伏がちょっと激しい 2歳娘の癇癪のなだめ方について

2023/11/17

「発達的な凸凹は誰もがもっている」ということを前提に、子育てに困り感のある親子向けに、研究成果に基づくサポートプログラムを展開する、特定非営利活動法人ADDS。その共同代表であり、公認⼼理師/臨床⼼理⼠の資格を持つ竹内弓乃さんが、長年培った経験や心理学の知見をもとに、育児に関する多様な悩みに答える連載企画。

今回は、6歳と2歳半の姉妹を育てる、トイサブ!スタッフ木下さんの悩みに答えます。まずは2歳半になる次女のお悩みから。

相談回答・記事監修者

⽵内 ⼸乃(たけうちゆの)

特定非営利活動法人ADDSの共同代表。公認⼼理師、臨床⼼理⼠を保有。ADDSでは子どもの発達に関するサポートプログラムの展開や、相談窓口を設けている。

【HP】https://adds.or.jp/
【ADDSの提供するオンライン発達相談】https://adds.or.jp/sodan/

相談者

トイサブ!スタッフ 木下

マーケティンググループに所属し、トイサブ!のマーケティングのスペシャリストとして活躍。プライベートでは、6歳の長女と2歳半の次女の子育てに奮闘している。

お悩み①
怒ったり泣いたりが激しい!
どう対応したらいいかわかりません

木下:次女が今イヤイヤ期なのか、怒ったり、泣いたりがすごく激しいんです。長女は話すと納得ができる穏やかなタイプの子だったので、同じように次女も話したら大丈夫だと思っていたら全然違って、感情が高ぶってしまうと、もうこちらの声が届かないんです。物を投げてしまうこともあります…。感情の起伏が激しい気がしていて、どうすればいいのか悩んでいます。

竹内Case.1でもありましたが、2歳半って仰る通りイヤイヤ期なんですよね。自分の中でこのぐらいのことを伝えたいとか、こういうことを私はできると思っている感覚と、実際にできること、言葉で伝えられることのギャップがすごくある時で、お子さん自身が常に戸惑っているんですよね。
なので「本当はこうやりたかったんだよね。でもできなくて、悔しかったよね」と共感してあげるといいかなと思います。とはいえ、物を投げてしまうことについては、別の方法でも感情を伝えられることを教えてあげた方がいいですね。なぜ物を投げてしまうのか、何を叶えたくてその行動をしているのかというのを考え、別の表現方法を教えてあげるようにしましょう。
例えばお子さんがイヤーって泣いて、ママが仕方なくジュースをあげるとします。するとお子さんは、「泣けばジュースをもらえる」と学習し、ジュースがほしい時は泣くことで伝えようとします。でも、ジュースをもらうためにもっと良い方法もありますよね。普通に「ジュースがほしい」って言ってジュースをもらう方がいいじゃないですか。全く同じ結果が得られるなら、むしろこっちのやり方の方が楽だよって教えてあげるといいと思います。

木下伝える前に感情が高ぶってしまったら、どうしたらいいですか?こっちの声も届かず、次女が何を言っているかもわからない時があって、会話にならないんです。

竹内んなときは、余計な刺激はしないで、安全確保だけ気をつけて、気持ちが落ち着くのを少し離れて待ちましょう。そういう時って、お子さんも自分でどうしたらいいかコントロールできなくなっちゃっているんですよね。そこにさらに親が「静かにしなさい」「なんで泣いているの」「言葉で説明しないとわからないわよ」って言ってしまうと、より感情がヒートアップしてしまって、治まらなくなってしまいます。

木下次女の気持ちが落ち着くまで待って、落ち着いた時に「あの時こうしたらよかったんだよ」って話をしても、効果があるんでしょうか? 割と落ち着いた頃にはもう次女はその時のことを忘れているような気がします。

竹内それはあまり意味がないかもしれません。そうなってしまったら、大人ができることは、今なんでこの場面でこんなに癇癪になっちゃったのか、もし時間を戻せたら、どうするべきだったのかを考えてあげることかなと思います。もちろん全部は予測できないですが、例えばそもそもこのブロックをここに置きっぱなしにしないで片付けていたら、癇癪の時に投げなかったかもしれない、とかですね。事前にできる工夫って、何があったのかな?って考えてみて下さい。似たような出来事がまた起きると思うので、その時は事前の工夫をしてあげる、っていうのが正解かなと思います。
少なくとも感情が高ぶって騒いでしまっている時に、なんとか大人しくさせたくてお菓子をあげちゃうとか、そういうことは
しないように気をつけて下さい。

木下やっちゃっていますね(笑)。その場で何かをすることで解決したいと思っていたのですが、次にまた似たような状況になった時に回避するためにはどうするべきなのかを振り返って考えたいと思います。

お悩み②
保育園や祖父母の家では食べるのに
家ではほとんどご飯を食べません

木下:次女が家ではご飯を全然食べないんです。保育園や祖父母の家では出されたメニューを完食しているみたいなので、ちゃんと食べられることは知っているんですが、なぜか家では納豆ご飯しか食べなくて…。離乳食の頃はすごく食べていたので、この子はよく食べる子なんだなって安心していたんですけど、イヤイヤ期になってから家では本当に食べないんです。保育園や祖父母の家ではちゃんと食べているので、いいかなって思っていたのですが、この状態が半年以上続いていて次女の体重も増えなくなってきているので、家でどう対応すれば良いのかを知りたいです。

竹内:2歳半頃は成長段階として体重の増加スピードが落ち着く時期ではあります。保育園の給食をちゃんと食べているのであれば、給食は栄養士さんがしっかり管理しているので、栄養はちゃんと確保できていると思って大丈夫です。あまりどうしようって思わなくていいかなと思います。とはいえ、家でのメニュー幅を広げられると食事の時間も楽しくなるかなと思うので、ちょっとずつチャレンジ要素をいれていくのもありかなと思います。例えば、祖父母のお家で食べるもので、特に好きなもの、納豆以外で何かありますか?

木下じゃがいもにチーズをかけたものが好きで、よく食べていますね。

竹内それと似たような料理を家で作ってもいいですし、祖父母の家からもらってきてもいいと思います。祖父母の家で食べられるんだったら場所を変えてどうか、とテストしてみるイメージです。そこに特別な旗をつけてみるのもいいかもしれませんね。また、納豆ご飯以外をちょっとでも食べられたら「すごーい」って大げさに褒めたり、「え、うそでしょ?すごいね!」ってお姉ちゃんにも協力してもらって盛り上げてもいいかもしれません。

木下確かにそうかもしれないです。ドクターイエローのお弁当箱にのせているときは、ちょっと食べました。盛り上げ、飾り付けが大事なんですね。やってみます!

お悩み③
やってほしくない事をされたときの
効果的な注意の仕方を教えてください

木下先ほどの食事の悩みと繋がっているのですが、家でご飯をほとんど食べないのに、泣いてデザートを欲しがるので困っています。ご飯を食べたらデザートにしようねと言って食べさせるんですけど、口に入れて出しちゃうんです。どう注意したらやめさせられるでしょうか。

竹内今までの経験から「泣いたらデザートが出てくる」と学習してしまっているんですね。それを急には崩せないとは思いますが、せっかくなら頑張ったご褒美としてデザートを出してあげたいですよね。「ひと口だけ食べてからデザートを食べようよ」と言っても難しそうですか?

木下うーん…難しいですね。食べずに全部口から出しちゃうんです。なんで口から出しちゃうんでしょう…。

竹内:一回口に入れてくれるということは、ちょっとトライする気持ちはあるってことだと思います。でもダメだったら出せばいいかなって思っているのかもしれませんね。トライする気持ちは偉いので、出してから注意するよりは、事前に「ダメだったらここに出そうね」と小さいお皿を置いておいても良いと思います。それで、まずはお口に入れられたことを褒めて、小さいデザートをあげる。もし口から出さずにゴックンまでできたら、もっと大きなデザートをあげる!というふうに、成功体験につなげられると良いですね。
口から出してから「ダメだよ」「ふかなきゃ」って周りが対応するのがパターンになると困らせて周りの注意を引くことが遊びになってしまうことがあるので、そういうときはなるべく淡々と対応して、ちゃんと食べられたときにしっかり褒めるのが良いですね。

木下:なるほど。淡々と対応した方がいいんですね。ちなみにダメって注意する時は、どんな風に言うのがいいんでしょうか?

竹内:行動理論の中に「罰」というものがあって、嫌なことをした時に「ダメだよ」って伝えたり、昔なら叩いたりすることが「罰」にあたります。そういう行為に効果があるのかは研究されていて、「罰」は一時的には行為を止められるのですが、他の適切な行動を教えられるわけではないので、結局またすぐに再発するという特徴があります。結果、長い目で見ると「罰」には効果がないと言われています。
叱ること、注意することは、基本的には「やらない」ことを教えることだと思います。もちろんそれも必要ですが、「やらない」ことを増やすより、「できる」ことを増やしていく方が大事だと思います。
質問に戻って、どうしてもお子さんが困ったことをしてしまった時、どんな風に注意すればいいかで言うと、注意すると同時に、じゃあどうすればいいかも一緒に伝えてあげられるといいと思います。例えば、物を乱暴に投げて片付けていたとしたら、「投げないで、こうやってそーっと入れるとかっこいいよね」というふうに。

木下ダメっていうだけじゃなく、ポジティブに感じることも教えてあげるってことですね…今度からは気をつけてみたいと思います!

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